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魔法少女リリカルなのはStrikerS-選ばれしジェダイ- クロス元:スター・ウォーズ プロローグ エピソード1 エピソード2 上へ
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スターゲイト ストライカーズ プロローグ 2年前、首都クラナガンの地下数十メートルで直径数メートルの環状遺跡が発掘された。 環状部分には39個の文字が刻印され、等間隔に9個のV字型の雁木細工がされている。 遺跡は考古学上の大発見として研究が行われた。 一見唯の石造りの物に見えるが、研究を進めるうちに精巧な装置であることが判明した。 遺跡が何の目的で作られたかについては様々な仮説が立てられた。 ある者はこれは惑星破壊兵器だと言い、 ある者は宇宙船の推進装置と言い、 ある者は長距離移動用の転送装置だと言った。 結論としては最後の転送装置という線で落ち着いたが、 使用方法は誰も解き明かすことはできなかった。 刻まれた文字も、管理局自慢の自動邦訳装置に通しても解読ができなかった。 「ジュエルシード」のようなエネルギー体ではない。 「聖王のゆりかご」のような危険な超兵器でもない。 結局遺跡自体に危険がないことがわかると、早々に研究は打ち切られた。 解読できたのは遺跡に蓋をするように置かれていた石版の文字のみ……。 「我等は忌まわしき蛇から先祖を守るため、天国の扉を封印する」 そして現在…… 管理局遺失物保管庫、その片隅にロストロギアとして遺跡は収められていた。 その大きさ故に、保管庫内に貯蔵されている他のロストロギアよりもひときわ目立っている。 ある星では「チャパーイ」と呼ばれ、 またある星では「スターゲイト」と呼ばれるこの遺跡が、 今千年の眠りから目覚めようとしていた。 輪に取り付けられている9つの雁木細工……シェブロンと呼ばれる物が、赤く光りだす。 環状に配列された文字の部分が回転し……、 一旦停止したかと思うとシェブロンが一つずつそれをロックしていく。 回転中は遺跡自体が振動し、施設とその周辺を震度3程度の揺れが起こっている。 そして七つ目のシェブロンがロックされたそのとき。 輪の中心で水しぶきのようなエネルギーの爆発が発生した。 すぐにエネルギーは安定し、まるで水面のような時空境界線を形作り、通路は完成した。 保管庫内の異常なエネルギーを施設のセンサーが感知し、 けたたましい警報が鳴り響く。 形成されたワームホールから金属の球体が投げ込まれると、 球体からオレンジ色の光が保管庫中を走査した。 直後、同じくワームホールを通って鎧をまとった兵士が次々現れた。 兵士たちは頭を蛇に似せたヘルメットで前面をカバーしている。まるでその姿は神話に登場する神々のようだ。 兵士たちの最後列に一人金色の鎧を纏う者が現れる その金色のヘルメットが上下に別れ、中から男の顔が見えるようになる。 男は周囲を見渡し、納められているロストロギアを見渡すと、人間の発するそれより恐ろしい声で兵士たちに命令を下した。 『運ぶことができる物は全て運び出せ!』 目次へ 次へ
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ある日ホイという老人があらわれ、オルゴールを開けて欲しいとたのまれるなのはたち 難なくオルゴールをあけるのだが、その中からあらわれたのは伝説の勇者タピオンだった。 同じ剣を扱うもの同士として、シグナムは彼に興味を持つが、 タピオンは他人を寄せ付けない態度である しかし、タピオンは体にとんでもない化け物「ヒルデガーン」を封印していたのだ その悲しみを知ったシグナムは、タピオンと交流を持つようになる タピオン(お前は強いな・・・シグナム) だがしかし、タピオンの体からついに化け物が復活してしまう。 なんとか笛の力で体内にヒルデガーンを一時的に封印したタピオン タピオン「シグナム、俺の体ごとヒルデガーンを殺してくれ!!」 シグナム「で・・・できない!!そんなこと・・・」 タピオン「たのむ・・・おれを勇者のまま死なせてくれ!!」 シグナムは刀を振り下ろそうとするが、間に合わずヒルデがーんは復活してしまう 暴走するヒルデガーんは、ホイすら踏み潰してしまう あばれ狂うヒルデガーンについになのはの怒りが爆発する 「うあああああああ!!貴様だけは、絶対に許せない!!」 シグナムはその隙にヒルデがーんの尻尾を切断する 「誰も手を出さないで!この化け物は私が倒すの!!」 そして、なのはは究極奥義、エクセリオン龍拳でヒルデがーんを撃破 タピオンが故郷へ帰る日がやってきた。 「シグナム!!」 「え?あぁ!」 タピオンはシグナムに自分の剣を渡す 「くれるの!?」 「ああ、おれにはもう必要ないからな・・・それじゃあお元気で!」 タピオンは故郷へと帰っていった シグナム「はは・・・・」 笑みを浮かべ、大空を眺めるシグナム エンディング この 青い星は 今 愛に抱かれ…光る 嘘じゃないの 夢が踊る地球を 汚す者は 私がだまっちゃいないの カッ飛びのパッション リリカルなのは デバイス使えば 煙の様に消える 今度の敵にゃ びっくり仰天しちゃうの (GO!)油断しないで (JUMP!)ヴィーダシグナム (GO!)もし仲間が (KICK!)傷ついても 最後には この私がやらなくちゃ誰がやるの 嘘じゃないの お遊びはここまでなの 見せてやるの 超魔道師パワー スッ飛びのファイト リリカルなのは エンディングのシーンで未来のシグナムが的に切りかかり、真っ二つに切断するかっこいいシーンあり 単発総合目次へ DB系目次へ TOPページへ
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1:クラナガンの異変編 仮面ライダーディケイド本編が終了した後も門矢士の旅は続いていた…のだが…実はその途中で 旅の仲間とはぐれてしまい一人になってしまっていたのだった。 「海東の奴はともかく…夏みかんとユウスケは一体何処へ行ってしまったんだ? まあ良いか… 下手に探し回るよりもこのまま進もう…。いずれ合流出来るだろ。」 彼は旅の中で一人になった事が今まで無かったわけでも無い。故に探し回らず、いずれ合流出来る事を 考え、あえて自身の愛用バイクであるマシンディケイダーを走らせ前進させるのであった。 そうして旅を続ける中、士が世界と世界を繋ぐオーロラを通ってとある世界に辿り着く。 「ここは…リリカルなのはの世界か…。」 士を乗せたマシンディケイダーが到着した先は丁度ミッドチルダ時空管理局地上本部前の道路だった。 故にここが『リリカルなのはの世界』である事を確信していたのであったが…何か違和感を感じていた。 「にしては…少し物々しい雰囲気だな…。」 周囲を見渡してみると、戦闘服を着用しデバイスで武装した局員や釘バットや木刀を持った一般人が 彼方此方におり、まるでこれから戦争でもしようと言わんばかりの物々しい雰囲気を放っていた。 そして彼らの会話に耳を傾けて見ると… 「おい! そっちにはいたか?」 「いや、こっちもまだ発見出来ない。」 「畜生…俺達を裏切る様な真似しやがって…絶対ぶち殺してやる…。」 やっぱり物騒な会話が聞こえて来る。これは何かがおかしいと士も考えるのであったが、 間も無くその予感が確信に変わる発見をする事になるのである。 士が何気なく通りすがった先に立っていた一本の電柱。そこに一枚の張り紙が貼られていたのである。 それは良くある『この顔にピンと来たら110番』って言う指名手配書だったのだが、 その紙に印刷されていた写真と文字が問題であった。 「なん…だと…?」 士は絶句した。何と言う事であろう。高町なのはとユーノ=スクライア。 この二人が指名手配されていたのである! 「これは明らかに変だぞ…。探りを入れて見る必要があるかもしれないな…。」 なのはとユーノの二人が一体何をして指名手配される事になったのかは分からない。 しかし、それでもこの二人が指名手配されると言う事実は異常事態である。 故に士としても黙って見ている事は出来ず、これに関して探って見る事にしたのだった。 クラナガン郊外の廃業都市。既に寂れて無人となったその中の一つの建物の中に二人が座り込んでいた。 それはなのはとユーノの二人だった。 「はぁ…はぁ…。ここならしばらくは追っ手は来ないよ…。」 「ごめんよなのは…僕の為に…。」 「そんな事言わないで…。」 何故追われる身となったのかは依然として謎であるが、なのはは変身魔法で子供の姿に、 ユーノはフェレットの姿になる事で消耗を抑えねばならない程にまで疲弊していた。 そして廃業都市のボロボロの建物の陰に隠れ、追っ手の脅威に震えながら わずかなレーションを分け合って食べていたのだったが…ついにここにまで 非情な追っ手が迫って来ていたのだった。 「いたぞー!」 「見付けた見付けたぞー!」 「あ!!」 一度見付かってしまった途端、廃業都市に続々と追っ手が雪崩れ込んで来ていた。 デバイスを装備した武装局員のみならず、木刀やら釘バットやらで武装した一般人にしか見えない者達が 大勢で一斉に迫って来ていたのである。なのははフェレットの姿になっていたユーノを守るべく右手で抱き、 左手でレイジングハートを握り締めようとしていたのだが、その時だった。 「ちょっと待った!」 まるで追っ手を遮るかの様に一台のバイクが猛烈な速度で駆け寄せ、なのはとユーノの前に止まっていたのである。 それはマシンディケイダーに乗った士であった。 「貴様! 何故邪魔をする!?」 「そっちこそ大勢でよって集って何故この二人を狙うんだ?」 士の乱入によって追っ手の進撃が止まった。突然の乱入者になのはとユーノの二人も何が起こったのかと 困惑した表情で立ち尽くすばかりだった。 建物の中のみならず、その外にまで…。廃業都市を埋め尽くさんばかりの勢いで無数に雪崩れ込んで来ていた 武装集団に臆する事無く士は問う。 「一体この二人が何をしたと言うんだ? こんな大勢で追うなんてやりすぎだろう?」 「なのはは俺達を裏切ったんだ! 信じてたのに…。」 「裏切った? 一体どう裏切ったんだ?」 「なのははフェイトを捨てて淫獣と逃げたんだ! これは我々ファンに対する裏切り行為だ!」 「何…だと…?」 一体何故こんな事になったのか…その理由が明かされた時、思わず士は絶句していた。 「違う! 捨てたんじゃない! 私はもうファンに媚びたレズビアンの真似事に嫌気が差しただけだよ!」 「百合とレズは違う!」 「もう何を言っても無駄だ。フェイトを捨てて淫獣に股開いた時点で俺達のなのはは死んだんだ。 今目の前にいるのはただのビッチなんだ!」 「なるほど……お前らか…噂に聞く百合厨と呼ばれる人種は…。」 なのはとユーノの追われる理由が余りにも突拍子が無さ過ぎて暫し絶句していた士であったが、これで納得がいった。 世の中には『百合厨』と言う女性キャラ同士の百合をもっとも至高とする者達がいる。そしてリリカルなのはの 世界においてはこの百合厨が一番力が強く、そして百合厨の力を利用して発展して来た。 しかし、確かに少女時代においては友情の発展系としてなのはとフェイトの百合に疑問は無かったが、 やがて大人になるに従ってそれはエスカレートし、ついにはレズビアンまがいな行為を連発する様になった。 それはなのは個人にとってもはや我慢出来る物では無くなっていた。なのはとてフェイトの事は好きだが 百合厨が求める物とはまた違う形であり、百合厨に媚びたレズビアン行為に嫌気が差していたなのはは 本編で描かれていない所でこっそり幼馴染のユーノと付き合っていたのだったがそれさえも百合厨に察知されてしまい、 掌を返した百合厨に反逆され、この様に追われる身となっていたのだった。 「俺も旅の中で色々見て来た…。彼氏が出来たり、実は元彼がいた事が発覚した途端にお前達百合厨に よって追い立てられる女をな…。例えばかんなぎの世界とか凄かった。そして今この二人さえ狙おうと言うのか?」 百合厨は女性キャラ同士の百合を尊ぶと同時に女性キャラに彼氏が出来た途端に掌を返し、 ビッチだの何だのと叩きまくる。この光景を士も様々な世界で見て来ていたのだった。 「それの何がいけないんだ!? なのフェイの百合こそ世界の真理だ! なのフェイの百合があったからこそ リリカルなのはと言う作品はここまでの人気作となったのだぞ!」 「別に百合自体を否定してるわけじゃない。百合たい奴は勝手に百合ってれば良い。だが…アイツは違うだろ!? アイツは百合を嫌がっているじゃないか!! それなのに百合を無理やりに押し付けようと言うのなら… 俺はお前ら百合厨からあいつ等を守る!!」 武装集団=百合厨の大軍に向けて啖呵を切った士。これには百合厨も腹を立てていた。 「貴様! いきなり出て来た上に偉そうに………一体何者だ!!」 「俺は通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」 士はディケイドライバーを腰に巻き、さらにライドブッカーから取り出した一枚のカードをディケイドライバーへ差し込んだ。 「変身!」 『カメンライド! ディケーイド!』 その様な電子音と共にディケイドライバーから放たれたエネルギー状の何かが士の全身を纏い、その姿を 仮面ライダーディケイドへと変えていたのだった。 「ディケイドだー!! ディケイドが出たぞー!! さてはリリカルなのはの世界を破壊しに来たなー!?」 「うおー!! ぶっ殺せー!!」 「出来るもんならやってみろー!!」 こうして戦いが始まった。ディケイドは単身百合厨の大軍へ向けて突っかかり、ライドブッカー・ソードモードで 辺り一面に展開された百合厨を次々に斬って斬って斬り倒しまくるのであった。 百合の破壊者ディケイド。百合の世界を巡り、その瞳は何を見る。 そして…そんなディケイドの大暴れをなのはとユーノの二人が呆然と見つめていた。 「ディケイド…。」 「彼が…噂に聞く……破壊者…。」 一度は歴代ライダーを全滅させた事もあるディケイドの暴れぶりは目を見張る物があった。 リリカルなのはと言う世界観…そして作品の人気を支えているも同然の屈強なる百合厨の大軍を ばったばったと倒しまくり…廃業都市は忽ちの内に屍の山に……なってはいたのだが… しかし百合厨はその間も続々と数を増やし、次から次へと廃業都市へ雪崩れ込んでいたのだった。 「何だこいつ等…キリが無い。」 「それだけなのフェイの百合を大勢の人々が支持していると言う事だ! 貴様の存在はなのフェイのみならず リリカルなのはの世界そのものを消滅に導く! 今ここで百合厨の手にかかって死ぬのだ!」 「貴様…鳴滝…!?」 何と言う事だろう。百合厨の大軍の中に一人の薄茶色のコートに身を包んだメガネの中年男の姿……。 それこそ彼方此方の世界でディケイドを世界を破壊する悪魔と言いふらしまくっている反ディケイドの 特攻隊長とも言える男…鳴滝だった。 「鳴滝ー! 百合厨になってまでディケイドを倒したいか?」 「黙れ! 貴様は今度こそここで死ぬのだー!! 行けー!!」 「うおおおおお!!」 鳴滝がディケイドを指差すと共に大勢の百合厨が一斉にディケイド目掛け突撃する。 これは非常にまずいと感じたディケイドは一度マシンディケイダーの所へ駆け戻っていた。 そして座席に座りハンドルを握ると共になのはとユーノの方へ話しかけていた。 「おい、お前らも乗れ! とりあえずここは逃げるぞ!」 「え? で…でも…。」 「でもじゃない! 死にたいのか!?」 「いや…ほら…だってノーヘルは良くないって…。」 「だからそういう事言ってる場合じゃないだろ!! 良いから乗れ!!」 「はっハイ!」 ノーヘルでバイクに乗るのは如何な物か…とマシンディケイダーに乗る事に 躊躇していたなのはであったが、今はそんな事を気にしている場合では無かった。 百合厨の大軍はすぐそこまで迫っているのだから。故に大急ぎでなのはは ディケイドに抱き付く形でマシンディケイダーの後部座席に乗っていたのだった。 「しっかり掴まってろよ!」 ディケイドは猛烈な速度でマシンディケイダーを走らせた。マシンディケイダーは その辺のバイクとは馬力から何まで桁違いの性能であり、忽ちの内に時速数百キロにまで加速する。 なのはもやろうと思えばその位の速度で飛ぶ事が出来る事は出来るが、他人が運転するバイクに 乗った状態でその速度を出されるのはそれとは全く違った感覚であり、振り飛ばされない様に ディケイドに力一杯しがみついており、フェレットの姿になっているユーノもまた なのはの左肩に力一杯しがみついていた。 さしもの百合厨の大軍もマシンディケイダーの速度には追い付けなかった。そしてクラナガンから 離れた田舎道に入った所でディケイドはマシンディケイダーを一度止め、変身を解いて士に戻っていた。 「ここまで来ればしばらくは追って来ないだろう…。」 「あ…あの…ありがとうございます…。」 「礼はいらん。当然の事をしたまでだ。」 なのはとユーノは見ず知らずも同然の二人に対して何故士がここまでしてくれるのか不思議でならない。 だが、その後でユーノは申し訳なさそうになのはに対し謝っていたのだった。 「ごめんよなのは…僕なんかの為に…世界そのものを敵に回させてしまって…。」 「だからそんな事言わないで。ユーノ君一人が悪者にされて叩かれるなんて間違ってるし…私も嫌だよ。」 なのはとフェイトの百合と言う名のレズビアンまがいな行為が大勢の百合厨に支持される陰で ユーノはなのはに最も近くにいる男として百合厨の怒りを買い、淫獣と罵られ叩かれていた。 それがなのはにとっては嫌だった。なのはが世界を敵に回してでもユーノと共に逃げたのはそこも要因であった。 「私とフェイトちゃんがレズみたいな事をして…ユーノ君一人が憎まれ役になって迫害されなきゃ 『魔法少女リリカルなのは』って作品が維持出来ないのなら…いっそ破壊して欲しい……。 お願いです! 貴方が噂通りに破壊者だと言うのなら…いっその事一思いに破壊して下さい!」 「なん…だと…?」 これには士も戸惑った。確かに今まで旅の中で『破壊者』『悪魔』と罵られ攻撃された事は 多々あったが、この様にむしろ破壊を乞われる事は非常に珍しい事だったからである。 とは言え、士にもまだ分からない部分があった。 「しかし、まだ解せない部分もある。そもそも百合厨なんて所詮はヲタの集まりだろ? それが何故あそこまで組織的に動けるんだ?」 「そ…そう言われてみれば…。」 「これは裏で糸を引いてる奴がいると見たな…。」 確かに言われてみれば士の言う通りかもしれないと言えた。いくら百合厨の発言力が強いと言っても 言い換えれば発言力が強いだけに過ぎない。それがこの様に大勢で直接実力行使に出て来る事は異常事態であると言えた。 「じゃ…じゃあ…もしかしてあの…確か…鳴滝って人とか…?」 「いや、あれはただ単に百合厨の流れに乗って俺を倒そうとしてるだけに過ぎん。もっと別にいるな。」 「一体誰が………。」 百合厨が組織的に動ける様になった理由は何か…。三人はそれぞれ考えを膨らませ、暫し沈黙が起こるが それで特に何が起こるでも無し、士は再びマシンディケイダーのハンドルを握っていた。 「ま、こんな所で考え込んでいても仕方が無い。お前ら二人とも行く当てが無いんなら俺に付いて来い。俺が匿ってやる。」 「あ…ありがとうございます…。」 士はなのはとユーノを匿うと言う。それには逃げる当ての無かった二人も思わず礼を言い、 三人を乗せたマシンディケイダーは再び発進するのであった。 士が向かった先は、実質彼の家とも言える光写真館。そこでなのはとユーノの二人を匿おうとしていたのだったが… 不思議な事に光写真館は人っ子一人いない無人だった。 「ここにもいないか…皆何処に行ったんだ? 爺さんまでいないなんて…。まあいい…とにかく上がってくれ。」 「あ…はい…。」 なのはと、その左肩に乗ったフェレット形態のユーノは申し訳なさそうに玄関から光写真館の中に入り用意された椅子に座っていた。 「ここ…写真館なんですね?」 「まあな。」 とりあえず士はなのはとユーノに光写真館の中にあった飲み物・食い物を出しつつテレビのスイッチを入れるのであったが、 丁度何か特別報道番組が組まれ放送されている様だった。 「これは………。」 明らかに何かが起こっている事を悟った三人は思わずテレビ画面に注目した。 『大変です! つい先程、謎の武装集団によって時空管理局ミッド地上本部が占拠されました! あ! カメラさん! あちらに向けて下さい! 犯人側からの声明が行われる様子です!』 「謎の武装集団…。」 「いつの間にかに凄い事が起こってる…。」 なのはとユーノの二人が追われる身となっていた間にさりげなく管理局ミッド地上本部が 謎の武装集団によって占拠されると言う異常事態。彼らは一体何者なのか… そしてミッド地上本部の方では、時空管理局のマークが描かれた旗が降ろされ、代わりに 彼ら武装集団のシンボルと思しき旗が上げられていた。 『時空管理局ミッド地上本部は我々百合ショッカーが占拠した!』 「百合ショッカー!?」 占拠された時空管理局ミッド地上本部から続々と出て来た如何にも怪しい男達の中心に立つ 科学者風の老人がその様にテレビ局のカメラに向けて高々とそう宣言していたのだった。 だがそれのみならず、百合ショッカーと名乗る組織の幹部と思しき彼らが一人一人自己紹介をしていく。 『私は死神博士改め…百合神博士である!!』 「じ…爺さん…ま…またこのパターンか……。」 死神博士改め百合神博士。その姿を見た士は頭を抱えてしまった。実は彼の正体は光写真館の主人、光栄次郎である。 しかし、死神博士のメモリの入ったガイアメモリによって死神博士・スーパー死神博士ドーパントになっていた事があった。 そして今回も死神博士改め百合神博士となっていたのであった。 『私は百合ショッカー百合幹部、地獄大使改めガチ百合大使!』 『私はドクトルG(ゲー)改めドクトルY(ユリー)である!』 百合神博士を筆頭として様々な幹部が自己紹介をしていく。そして彼らを称える様に 彼ら側の兵隊と思しき全身タイツ姿の戦闘員達が手を上げ叫んでいたのであった。 『ユリー!!』 『ユリー!!』 『これより我々百合ショッカーは百合の理想郷建設の名の下に世界征服を宣言する!』 これには士・なのは・ユーノの三人は暫し沈黙していたのだったが、ここでユーノが なのはの左肩からテーブルの上に飛び降り、士に話しかけていた。 「あの…士さん…。ショッカーって…あのショッカー?」 「多分そのショッカーだ。少し変わっている様だがな。」 士の言う通りだった。百合ショッカーはその名の通りショッカーが百合の力で強化復活した組織。 例えばショッカーの戦闘員は「イー! イー!」と叫ぶ事は周知の事実であるが、 この百合ショッカーの戦闘員は「ユリー! ユリー!」と叫ぶ程にまで百合に染まっていた。 「まさか鳴滝のみならずショッカーまで百合厨になってるなんて…一体どうしてこうなった…。」 士は頭が痛くなりそうに頭を手で押さえていたのだったが、それだけに留まらなかった。 『諸君! 見よ! このお方が我々百合ショッカーの百合首領! フェイト=T=ハラオウンである!』 「ええ!?」 ここでまたも異常事態。何と言う事か、あのフェイトが百合ショッカーの百合首領となって 彼ら百合ショッカーの百合幹部達の中心に立っていたのである。これにはなのはとユーノもビックリ。 「そんな…フェイトちゃんがどうしてショッカーなんかに…?」 なのはとユーノの二人が愕然とする中、テレビの映像の向こう側では、百合ショッカー百合首領となった フェイトが百合厨と思しき人々から賞賛の声を浴びせられていた。 「おそらくこの為だな。フェイトはリリカルなのはキャラの中でも特に人気があるのだろう? それが百合ショッカーの首領となれば人々は百合ショッカーを賞賛する。これが奴らの狙いなんだ。 フェイトは洗脳でもされた上で首領に祭り上げられているだけに過ぎん。」 「そ…そうなんですか…?」 「俺も一度は大ショッカーの大首領をやってた事があったからな…。」 士もかつて百合ショッカーの前身たる大ショッカーの大首領をやっていた事があった。 しかしそれも単に祭り上げられていただけの事。それと同じ様にフェイトも祭り上げられているだけであると 士は悟っていたのであった。 百合ショッカーの存在はリリカルなのは世界に大勢いる百合厨達には熱烈な支持歓迎を受けていた。 『我々百合ショッカーが世界を征服した暁には、世界各地のゲーム屋から恋愛ゲーを撤去させ、 代わりに百合ショッカー製作の百合ゲー『ユリプラス』を発売させる。』 「おー!!」 「百合ショッカー万歳!!」 「ユリー! ユリー!」 百合ショッカーの志に賛同した百合厨達は続々と百合ショッカーに入り、百合ショッカーは 彼らを百合戦闘員・百合怪人に改造して兵力を続々と増強して行くのであった。 時空管理局とて百合ショッカーの暴挙を黙って見ているわけでは無かった。間も無く本局は 高ランク魔導師で構成された精鋭を百合ショッカーへ向け送り込むのだが…彼らが帰って来る事は無かった。 それどころか… 「ユリー!」 「ユリー!」 「うわー! 百合ショッカーの襲撃だー!!」 逆に百合ショッカーの百合怪人・百合戦闘員達が本局に雪崩れ込み、瞬く間に本局までも陥落させられていたのだった。 「そんな…本局まで……。」 「無限書庫の皆は無事だろうか…。」 百合ショッカーの手によって本局が陥落させられていく様子もテレビで放送されており、 その光景を目の当たりにしたなのはとユーノは愕然とするのみだった。 しかし百合ショッカーが本局を襲撃・陥落させる理由は別にあった。本局を陥落させて間も無く、 百合神博士が複数の百合怪人・百合戦闘員を引き連れて直々に管理世界における犯罪者が拘束されている 軌道拘置所へ向かっていたのだった。 そして軌道拘置所で一人の男が牢から出された。それはかつてJS事件を引き起こした天才科学者 ジェイル=スカリエッティであった! 「ジェイル=スカリエッティだな?」 「おお…貴方は怪人作りの名人と名高い死神博士!」 「如何にも。もっとも…今は百合神博士と名乗っているがな。」 生命操作・人体改造を主に研究していたスカリエッティにとって死神博士はその道の大先輩。 それ故に彼が直々に会いに来ると言う事態は相当な衝撃であった。 「私が現在進めている百合生命体の製作には君の力が必要だ。強力してくれるな?」 「他でも無い死神…いや百合神博士の頼み…。協力しましょう。」 こうして百合神博士とジェイル=スカリエッティ。二人の天才が手を組んだ。 そして二人が作ると言う『百合生命体』とは一体何なのであろうか…………? 一方光写真館では、なのは・ユーノ・士の三人が考え込んでいた。 「これは真剣に何とかしないと不味いぞ…。こんな時に皆何処へ行ってしまったんだ? せめてユウスケくらい帰ってくれば良いのに…。」 百合ショッカーに対し何か行動を起こそうにも、三人だけでは流石に頭数が足りなかった。 なのはとユーノは依然として疲弊した体力・魔力は回復しきっておらずそれぞれに子供・フェレットの 姿のままであったし、士と離れ離れになった旅の仲間も帰って来ない状況では中々辛い部分があった。 だがそんな時だった。突然呼び鈴が鳴ったのである。 「誰だこんな時に…。」 と、文句を言いながら士が玄関へ向かっていたのだが、そこに現れたのは意外な人物であった。 「南光太郎!」 彼は南光太郎。『仮面ライダーBLACKの世界』にて、暗黒結社ゴルゴムによって次期創世王候補、 世紀王ブラックサンとして改造されてしまったが脳改造を受ける前に脱出、以後仮面ライダーBLACKと 名乗りゴルゴムと戦い続ける男。士もかつてBLACKの世界に行き彼と共闘したり、ライダーバトルで 戦ったりと色々な事があった。 「大変な事になってしまったな。百合ショッカーは様々な世界の百合厨のみならず腐女子をも 味方に付けて日増しに兵力と勢力を伸ばし続けている。」 「腐女子までだと!?」 腐女子とは、早い話が百合厨の逆を行く人間。百合厨が女性キャラ同士の百合を至高とする様に 腐女子は男性キャラ同士の801を至高とする者達。それが何故百合ショッカーに味方をすると言うのか? 「考えても見ろ。百合厨が女性キャラに男性キャラが近付く事を嫌う様に、腐女子は男性キャラに女性キャラが 近付く事を嫌う。つまり、百合ショッカーによってあらゆる女性キャラが百合になる事は腐女子にとって見れば 自分達の好きな男性キャラに女性キャラが近付かなくなると言う大きなメリットがある。つまり利害が一致しているのだ。」 「な……なんと恐ろしい事を………。」 一見馬鹿らしい様に思えるが、当人達は真剣である。いずれにせよ百合ショッカーが腐女子までをも 味方に付けてしまったと言う事態は脅威である。その内腐女子で構成された801戦闘員とか801怪人とか出て来てしまいそうだ。 「しかも百合ショッカーにはゴルゴムから信彦までもが参加しているらしい。これはもはや黙って見ている事は出来ない。」 「あの…信彦って誰?」 「………………。」 凄い真面目な話をしている時に真顔で問われて光太郎も困った。 「つまりシャドームーンだよシャドームーン。」 「ああ…月影の事か…。」 ゴルゴムによって作られたもう一人の世紀王シャドームーン。その正体は南光太郎と兄弟の様に育った秋月信彦。 そして彼は『月影ノブヒコ』と名乗り士の家の執事を装っていた事もあったし、大ショッカー大首領の座から士を追い落として 代わりに大首領になって大暴れした事もあった。しかし…ここで一つの問題が… 「あの…私達はライダーの世界の事情には詳しくないから良く分からないんですけど…。」 「無限書庫に行けばそれ関係の資料も出て来ると思うけど、もう既に百合ショッカーに制圧されてしまってるはずだし…。」 「あ…ごめん……。」 久々に台詞の機会が回ってきたなのはとユーノの言葉に光太郎も士も思わず謝ってしまうのだった。 何しろこれは一応はリリカルなのはSSの体裁を取っているのだから、ライダー側だけで話を進めても仕方が無い。 とりあえず、百合ショッカーにはシャドームーンもまた参加している事で脅威が増えたと言えるが、 それと同時に仮面ライダーBLACKこと南光太郎が士達に協力してくれる事はささやかな救いと言えた。
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製作者の視聴者とふれ合う質問コーナー 〈質問〉 魔法少女リリカルなのはは完結するのですか? このラノベのゴールが見当たりません。 〈答え〉 僕にもわかりません。 〈質問〉 なのは・フェイト・はやての中で一番強いのは誰ですか? 教えて下さい 〈答え〉 新房昭之(1期監督)「歴然とした力の差がない限り状況や精神状態で強さなんて簡単に崩れる不安定なものだと僕は思っています。」 都築真紀(原作作者)「ぶっちゃけ一番強いのはそいつらをいつでも殺せる私です」 草川啓造(2・3期監督)「なのはです」 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
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散る―――(後編) ◆Vj6e1anjAc ◆ ここで今一度思い出してほしい。 ルーテシアのレリックと融合し、本来なら相性の合わない組み合わせで目覚めた聖王ヴィヴィオは、 いくつもの欠陥をその身に抱えた、不完全なレリックウェポンと化していた。 現時点までに発覚していた変化は、2つ。 1つはかつてのゼスト・グランガイツのそれと同じ、身体を蝕む拒絶反応。 1つはレリックの暴走による、一時的な魔力量の向上。 一度に発揮できる魔力の量こそ増えたものの、同時に身体へのダメージさえも助長され、 本人の意識せぬままに、より早いペースで身体にダメージを溜め込んでいくという悪循環である。 しかし――本当に、それだけだろうか? ヴィヴィオの身体に起きた変化は、本当にその2つだけだったのだろうか? 考えてもみてほしい。 ヴィヴィオが何者であるのかを。 聖骸布のDNAから生み出された人造魔導師が、一体何者なのかということを。 ヴィヴィオはかつての聖王のコピーだ。 古代ベルカ技術の直系を受け継いだ、最高のレリックウェポンの素体だ。 身に溜め込んだ戦闘力と魔力は、並の人間を遥かに凌駕している。 そのベルカ最強の生体兵器として生まれた彼女の身体を、凡百の人間と同じ定規で計っていいものなのか? いかにストライカー級騎士とはいえ、突き詰めればただの人間に過ぎないゼストと、全く同一のケースと見なしていいものなのだろうか? 回りくどい言い方はここまでにしよう。 ここからは率直に事実のみを述べることにしよう。 言うなれば聖王ヴィヴィオの身体は、その莫大な魔力を内に溜め込み、コントロールするための器だ。 大量の水を貯水池に留め、必要量のみを放出する、ダムのようなものである。 では、そのダムが壊れたらどうなるか? 水を抑え込めなくなるほどに脆くなったらどうなるか? 拒絶反応の影響で、ボロボロになった肉体が、魔力制御の限界域を突破したら? その先に待つのは、たった1つのシンプルな回答。 それはその身に宿った全魔力の――――――暴発。 肉体の限界を超えた魔力が、器を破り全面放出されることによる、魔力エネルギーの大爆発である。 これまではギリギリ耐えることができた。 今までに蓄積されたダメージでは、ダムを決壊させるまでには、ほんの僅かに至らなかった。 しかしそこへ、とうとう決定打が叩き込まれる。 完全破壊までには至らなかったとはいえ、スバルの放ったディバインバスターが、レリックにダメージを与えたのだ。 衝撃を与えられたレリックは安定性を失い、体内の魔力は大きく掻き乱された。 そんな水流の大きく乱れた状態へ、更に追い討ちをかけるように、 最大出力でディバインバスターを放つべく、ダムのほぼ全ての水門が開け放たれたのである。 そうなれば、どうなるか。 結論は決壊の2文字しかない。 レリックの魔力のみならず、ヴィヴィオ自身の体内に潜在される魔力まで、根こそぎ放出されるのみである。 こうしていくつもの条件が重なったことによって、薄氷の上に成り立っていた聖王の身体は――遂に、限界の瞬間を迎えたのであった。 ◆ 「ぐォッ……!」 その瞬間を、その場にいた誰もが目撃していた。 超巨大魔力スフィアを発射しようとしていたヴィヴィオが、突如としてもがき苦しみ始めたのだ。 両手で自身を抱くように掴み、呻きと共に肌を掻き毟る。 スフィアは緩やかに消滅し、代わりに聖王の身体から、魔力が霧のように漂い始める。 そしてそこに宿された光は、カイゼル・ファルベの虹色だけではない。 不穏な気配を放つ赤色が、その中に混じり始めたのだ。 赤はロストロギア・レリックの色。 それが漏れ出したということは、ヴィヴィオの魔力回路を介することなく、直接レリックから漏れていることに他ならない。 見る者が見れば、容易に危険だと推測できる状況だった。 「う……ゥ、ォオオオオオ……ッ!」 遂に堪え切れなくなったのか、膝をついて崩れ落ちた。 四つん這いの姿勢になったヴィヴィオの身体が、びくびくと小刻みに痙攣を始める。 美貌にはじっとりと脂汗が滲み、サイドポニーの金髪がへばりついた。 地に着いた四肢はがくがくと震え、口からは明らかに危険な量の涎が零れた。 それどころかその中には、薄っすらと血が混ざっているようにさえ見える。 「ゥ、ア……あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ―――ッ!!」 瞬間。 絶叫した。 叫びが上がった。 これまでの怒りの滲んだ怒号ではない、断末魔さえも思わせる悲痛な叫び。 不意に弓なりに身体を反らし、中腰の姿勢となって放たれた咆哮。 それが破綻の始まりだった。 それが全ての合図となった。 ヴィヴィオの絶叫を皮切りに、霧が間欠泉へと転じる。 濁流のごとき勢いで、赤と虹の光が発せられる。 さながら火山の噴火のように、漆黒の聖王の肢体から、膨大な魔力が放出されたのだ。 轟々と渦巻くそのさまは、さながら小規模な暴風雨。 暴力的なまでの閃光と爆音が、殺人的破壊力を伴ってぶちまけられた。 「何だ、あれは……?」 相川始との予期せぬ再会によって、幾分か頭の冷えたエネルは、その光景を悠長に構えて見つめていた。 不届きにも己と互角の勝負を展開していた小娘が、突然もがき苦しみ始めたのだ。 そして身を起こしたかと思えば、この有り様。 一体何が起きているというのか。 見たところ、体調が悪くなったのは間違いないらしい。 攻めるなら今をおいて他にないのだろうが、はてさて、あの身体から噴き出したエネルギーをどうするか。 これまでの経験則からして、あれは当たったら痛そうだ。 いくら回復手段があるとはいえ、痛みを覚えるのは面倒くさい。 できれば下手に怪我することなく、あれを突破したいのだが――。 「ヴィヴィオ……一体、どうしたの!?」 ディバインバスターを直撃させ、意図せぬうちにこの状況を作ったスバルは、不安げな声でヴィヴィオに呼び掛けていた。 あの状態はまずい。 何が起こったのかはさっぱり分からないが、尋常ではない苦しみ方からして、彼女が生命の危機に瀕していることは分かる。 できることなら助けたい。いいや、助けなければならない。 たとえディバインバスターが効かなかったとしても、一度助けると決めたからには―― 「なっ!?」 そう思った、次の瞬間。 「逃げるぞ!」 不意にカリスに手を掴まれ、そのままぐいと引き寄せられた。 「待ってください! ヴィヴィオを、ヴィヴィオを助けないと……!」 「もう限界だ! このままだと、俺達まで危険に晒されかねない!」 「そんな……!」 始は本能的に察していた。 あれは危険な現象だと。 ヴィヴィオ1人のみならず、自分達周囲の人間にさえ、危険を振り撒きかねない現象であると。 具体的に何が起こるのかは分からない。 ただ漠然と、危険な気配だけは感じ取っていた。 振りかえって見るだけでも分かる。 見えない脅威を振り払わんと、巨大な憑神鎌を振り回し、先端から余剰魔力を光波として放つさまは、明らかに常軌を逸している。 見捨てることで心が痛むのは確かだ。 それでも今は、出会ったばかりの小娘よりも、ギンガの妹の方が大事だった。 彼女だけは絶対に守る。 人の想いの力を教えてくれたスバルを、絶対に死なせはしない。 その一心で彼女の手を引き、得体の知れないカタストロフから、必死に逃げのびようとしていた。 「ゥウッ! グゥァアアアッ!!」 獣のごとき雄叫びを上げ、狂ったように鎌を振るう。 我が身を苛む何物かを、懸命に遠ざけようとするように。 魔力の嵐の中心で、ヴィヴィオは苦痛の真っただ中にあった。 燃え燻る森の火種も、挑みかかって来る敵の姿も、空の満月も見えはしない。 全天360度の光景は、有象無象の区別なく、慈悲なく容赦なく万遍なく、神々しくもおぞましき虹色へと埋め尽くされる。 浮かび上がる紅蓮の影は、手にした憑神鎌の力の顕現だったのか。 レリックより滲み出る赤い魔力が、処刑鎌の待機形態を彷彿させる顔をした、三つ目の死神の姿を浮かび上がらせた。 「グェ、ェ、ェエエエエ……ッ!」 痛い。痛いよ。 身体中が苦しいよ。 何でこんなことになっちゃったんだろう。 どうしてこんなところまで来てしまったんだろう。 仕方がないことだと思っていた。 身体が痛いのも苦しいのも、人を殺そうとするヴィヴィオが悪い子だから、その罰を与えられたんだと思っていた。 でも、本当はこんな苦しい思い、しなくていいのならしたくはなかった。 こんな怖い思いなんて、本当はしたくなかったのに。 「ァ……ァアー、ア……」 ママ。 どこにいるの、なのはママにフェイトママ。 一緒にいてくれると思っていたのに。すぐ傍で見ていてくれると思っていたのに。 もう嫌だよ、ママ。 痛いのも苦しいのも怖いのも、もうこれ以上味わいたくない。 だから助けてよ。 ここまで助けに来てよ、ママ。 なのにママはどこにもいない。 どこにもなのはママを感じられない。 ああ――私、見捨てられちゃったんだ。 あんまりヴィヴィオが悪い子だから、そんな子はもう知らないって、なのはママにも捨てられちゃったんだ。 これで私は、独りぼっち。 生まれた時と同じ、独りぼっち。 誰にも助けられなくて、誰にも愛してもらえない。 ヴィヴィオはもう――独りぼっち。 「……がぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 ◆ それはただただ圧倒的で、暴力的で冒涜的な力の発現。 燃え滓となった灰色の木々も。 森林に鎮座したコンクリートのホテルも。 そこに立つ人影達さえも。 全てが区別なく平等に、光の中へと飲まれていく。 地面の絨毯をひっぺ返し、大口開けて酸素を取り込み。 恐怖さえも煽る虹色のドームが、全てを無へと帰していく。 衛星のように駆け巡る赤色の線が、全てを切り裂き消し去っていく。 影さえも飲み込む死の光。 闇を切り裂く七曜の闇。 全てが虹色に支配され、それ以外の何もかもが見えなくなって。 たっぷり10秒間は続いた大爆発は、エリアF-9に現象する一切合財を、余すことなく飲み込んだのであった。 ◆ かつてホテル・アグスタと呼ばれていた、その施設の面影は既にない。 ヴィヴィオの巻き起こした魔力爆発が、これまで健在であった建物に、遂にとどめを刺したからだ。 コンクリートの壁も鉄骨も、情け容赦なく粉砕された。 今その土地にあるものは、焦げた臭いを漂わせる、煤けた瓦礫の山だけだ。 「あの、女ぁぁぁ……!」 そしてその灰色の山の中で、怒りに震える男がいる。 全身をコンクリートに埋めながら、額に青筋を立てる男がいる。 男の名は、神・エネル。 スカイピアの神を自称し、恐怖こそが神であると自論し、恐怖による支配体制を敷き続けた雷の男である。 その男が、生きていた。 あれほどの爆発の中にあっても、驚くほどの軽傷を負うに留まり、こうして生きながらえていた。 決め手となったのは、周囲の自然や建造物から電力を集めた、あの巨大な積乱雲だ。 恐るべきことにこの男は、自らの支配した雷全てを使って、自らに襲いかかる魔力を、完全に相殺しきったのだった。 「最初から最後まで神を愚弄し……おまけにこんな屈辱を味わわせるとは……!」 何だというのだ、この有り様は。 全能の神を自称していた自分が、一体何という体たらくだ。 か弱い少女を狩らんとしたら、あろうことか川に突き落とされ。 神を信じぬ不届き者も、殺したと思っていたのに殺しきれず。 赤いコートの男に返り討ちにされ、訳の分らぬ感情に心を乱され。 男だか女だか分からないような奴に、いいように騙され利用されて。 自らを檻に閉じ込めた紫鎧も、結局自分の手で殺す前に死に。 あの女には見下ろされ技を盗まれ、挙句せっかく溜めた電力も使い切らさせられた。 ひどい有り様だ。 ここに飛ばされたから自分は、まったくもって嘗められっぱなしではないか。 「もう堪忍袋の緒が切れた! この場に生き残った全員、ただの1人として生かしては帰さん!」 許さない。断じて許すわけにはいかない。 これ以上醜態をさらすのは、自分のプライドが許さない。 殺す。 殺してやる。 この場に集った全員を、自分自身の手で殺してやる。 恐怖という名の崇拝を掴み取るために、再び最強の恐怖の象徴として返り咲いてやる。 そうだ。 もう誰も取りこぼしはしない。 「全員私の手で殺して――」 ――ばぁん。 【エネル@小話メドレー 死亡確認】 銃口からたなびく硝煙が、男の顔を静かに撫でる。 脳天を真上からぶち抜かれ、物言わぬ死体となったエネルを、冷淡な視線が見下ろしている。 いつからそこにいたのだろうか。 そこにいつから立っていて、いつから神を見下ろしていたのか。 「怒りってのはよくないな。気が散って危機管理が疎かになる」 スマートな体型を有した青年――金居が、デザートイーグルを構えてそこに立っていた。 四つ巴の激闘から、真っ先に尻尾を巻いて逃げだしたこの男が、エネル達の生死を確かめるために戻って来たのだ。 (ボーナスは……これだな) がさごそとデイパックを漁ってみれば、新たな手ごたえをその手に感じた。 鞄から引き抜かれた御褒美は、長大な柄を持った鉄槌だ。 殴打する部分には痛々しげな刺が連なっており、凶悪な破壊力を醸し出している。 重量こそあるものの、アーカードの持っていた、やたら長い刀よりは使い勝手がいいだろう。 当面はこれを得物としようと判断し、デザートイーグルをデイパックにしまうと、そのまま左手にハンマーを持つ。 ついでにエネルの手から剣をひったくると、本人のデイパックに詰め、それも奪った。 「それにしても、とんでもない被害だな」 そこで思い出したように、高みから周囲を見回し、呟いた。 数分前に起こった大災害には、さしものカテゴリーキングも肝を冷やした。 何せ逃げのびたかと思えば、いきなり目の前で虹色の大爆発が起きたのだ。 あの時真南のG-9ではなく、F-9エリアに留まったままだったら、巻き込まれ消し炭になっていたかもしれない。 これまでの情報を整理すれば、あのカラミティを巻き起こしたのは、間違いなくあのヴィヴィオだろう。 何にせよ、厄介な2人が共倒れになってくれたのは幸いだった。 死んだのか否かはまだ調べていないが、ヴィヴィオも小さな子供の姿になって倒れている。もはや脅威となることはあるまい。 (さて、これからどうするか) ともあれ、これで当面の目的は果たした。 であれば、次の目的はどうすべきか。 エネル達という不安要素が排除され、はやて達とも別れた今、自分がすべきことは何か。 同行者が1人もいなくなったのだから、工場に立ち寄る理由もない。つまり、やることがなくなってしまったのだ。 そこまで考えたところで、ふと、デイパックに入れたきりになっていたアイテムの存在を思い出した。 学校で見つけ、それきり調べる機会のなかったUSBメモリだ。 せっかく1人になったのだから、いい加減こいつの中身を調べてみよう。 とりあえずは市街地に行って、適当なパソコンを調達し、こいつを開いてみることにしよう。 そうと決まれば善は急げだ。 コンクリートの山を滑り降り、倒れ伏す人影のすぐ横を、悠然と歩き去っていく。 乾いた夜風が吹き抜けた。 瞬間、金居の視界の中でちらついたのは、見覚えのある10枚のカード。 「……感謝するよ、お嬢ちゃん」 ふと。 不意に、にやり、と口元を歪め。 すたすたと歩いていた足を止め、首だけを背後へと振り向かせる。 「本当に厄介な奴を始末してくれたことを、さ」 キングの視線の先にあるものは―― 【1日目 真夜中】 【現在地 F-9 ホテル・アグスタ跡】 【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状況】疲労(小)、1時間変身不可(アンデッド)、ゼロ(キング)への警戒 【装備】バベルのハンマー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~ 【道具】支給品一式、トランプ@なの魂、砂糖1kg×8、USBメモリ@オリジナル、イカリクラッシャー@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、 首輪(アグモン、アーカード)、正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、デザートイーグル@オリジナル(4/7)、 アレックスのデイパック(支給品一式、L、ザフィーラ、エネルデイパック(道具①・②・③) 【道具①】支給品一式、首輪探知機(電源が切れたため使用不能)、ガムテープ@オリジナル、 ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、 レリック(刻印ナンバーⅥ、幻術魔法で花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察に関するメモ 【道具②】支給品一式、ランダム支給品(ザフィーラ:1~3)) 【道具③】支給品一式、顔写真一覧表@オリジナル、ジェネシスの剣@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、ランダム支給品(エネル:0~2) 【思考】 基本:プレシアの殺害。 1.USBメモリの内容を確認するために市街地に戻る。 2.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する。強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る(状況次第では自らも戦う)。 3.利用できるものは利用して、邪魔者は排除する。 【備考】 ※この戦いにおいてアンデットの死亡=封印だと考えています。 ※殺し合いが難航すればプレシアの介入があり、また首輪が解除できてもその後にプレシアとの戦いがあると考えています。 ※参加者が異なる世界・時間から来ている可能性に気付いています。 ※変身から最低50分は再変身できない程度に把握しています。 ※プレシアが思考を制限する能力を持っているかもしれないと考えています。 「う……」 呻き声と共に、目を覚ます。 未だがんがんと痛む頭を振り、ぼやけた瞳を指先で擦る。 ヴィヴィオにやられた鈍痛の残る身体を、片腕でのそのそとと起こした。 あれから一体どうなったのだろう。 いいや、あれだけのことがあって、何故自分は生き残ることができたのだろう。 徐々に冴えてきた脳内で、スバル・ナカジマは思考する。 最後に記憶したものは、聖王の背後で吼える死神の姿と、網膜を蒸発させんばかりの魔力光だ。 前後の状況から推察するに、恐らくはヴィヴィオの身体から発せられた魔力が、とんでもない規模の爆発を引き起こしたのだろう。 あまりの光量と音量に、意識が吹っ飛んだほどの破壊力だ。 まともに考えるのならば、今ここで自分が生きているのはおかしい。 何が死期を遅めたのか。 あの圧倒的な火力の中、一体何が自分を救ったのか。 「……ッ!」 そして。 次の瞬間、見てしまった。 上へと持ち上げた視線に、その存在を捉えてしまった。 自分が倒れている目の前に、異形の怪物の死体が立っていた。 「あ……ああ……!」 見覚えのない、禍々しい背中。 頭部から伸びた触角に、おぞましく歪んだ甲殻から覗く緑色の肌。 全身を煤けさせながらも、倒れることなく逝った立ち往生の死に様。 いかにも怪物らしいこの怪物の背中を、自分はこれまでに見たことがない。 それでも、確かに悟ってしまった。 否応なしにも、理解させられてしまった。 「始、さん……!」 これは相川始だと。 あの素顔も知らない仮面ライダーカリスが、自分をここで庇っていたのだと。 圧倒的な魔力に身を焼かれても、それでも決して引き下がることなく、そしてそのまま最期を迎えたのだと。 不意に、死体が光る。 おぞましい昆虫の亡骸が光に包まれ、縮小し、一枚の紙切れへと変わった。 トランプのようなカードの意匠は、生前彼が使っていたのと同じものか。 それで本当に何もかもが終わってしまったのだと、何となく理解していた自分がいた。 また、目の前で人が死んだ。 死なせないと誓った人を、結局救えず死なせてしまった。 皆を守ると約束したのに、結局守られてしまった。 その厳然とした事実はスバルを苛み、涙腺に熱いものを込み上げさせる。 きりきりと胸を締め上げる悔しさと情けなさが、瞳から涙を落とさせようとする。 「………」 それでも。 だとしても、泣くことはしなかった。 静かに身体を起き上がらせ、視線を左側へと逸らす。 始の死体の向こう側にいたのは、焼け焦げた大地の中心で倒れ伏す、元の小さな姿のヴィヴィオだ。 すぐ近くに突き刺さっていたナイフは、始を殺したことで手にしたボーナス支給品だろうか。 無言で立ち上がり、歩み寄る。未だ真新しいナイフを回収し、気絶した少女の身体を抱き上げる。 ひゅーひゅーと響く呼吸音は驚くほど小さく、心臓の鼓動はあまりにもか細い。 誰の目にも明らかな、満身創痍の有り様だった。 「……あたし、泣きませんから」 ぼそり、と。 消え入るような声で、呟いた。 そうだ。こんな所で泣いている暇はない。 こうして立ち止まっているうちにも、目の前の命はどんどん蝕まれていく。 今ここで涙し膝をつけば、せっかくレリックの呪縛から解き放たれたヴィヴィオの命が消えてしまう。 「ヴィヴィオを死なせないためにも、前を向いて歩きますから」 振り返ることはしなかった。 始の遺したカードを拾い上げると同時に、すっぱりと思考を切り替えた。 落ちていたデイパックを自分のバッグへと詰め、ジェットエッジのローラーを回転させ、北へ北へと進んでいく。 今は涙を流せない。 始の死を悲しんでやることも、弔ってやることさえもできない。 今目の前で死にかけているヴィヴィオを、スカリエッティのアジトへと運び、その命を救うこと――それがスバルの使命なのだから。 「だから、もう行きます」 白のバリアジャケットがはためく。緑の瞳が光り輝く。 胸にこみ上げる悲しみよりも、なおも大きな決意を抱いて、満月の下を進んでいく。 「ありがとうございました――始さん」 それが相川始との、最期の別れの言葉だった。 【1日目 真夜中】 【現在地 F-9 ホテル・アグスタ跡】 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】バリアジャケット、魔力消費(中)、全身ダメージ中、左腕骨折(処置済み)、悲しみとそれ以上の決意 【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定)、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レヴァンティン(カートリッジ0/3)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具①】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照)、クロスミラージュ(破損)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、黒のナイフ@LYLICAL THAN BLACK、ラウズカード(ジョーカー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、首輪×2(ルルーシュ、シャーリー) 【道具②】支給品一式、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具③】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ 【思考】 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。 1.ヴィヴィオを連れてスカリエッティのアジトへ向かう。 2.六課のメンバーとの合流。つかさとかがみの事はこなたに任せる。 3.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。 4.状況次第だが、駅の車庫の中身の確保の事も考えておく。 5.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。 6.ヴァッシュの件については保留。あまり悪い人ではなさそうだが……? 【備考】 ※仲間がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。 ※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。 ※万丈目が殺し合いに乗っていると思っています。 ※アンジールが味方かどうか判断しかねています。 ※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。 ※15人以下になれば開ける事の出来る駅の車庫の存在を把握しました。 ※こなたの記憶が操作されている事を知りました。下手に思い出せばこなたの首輪が爆破される可能性があると考えています。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】気絶中、リンカーコア消失、疲労(極大)、肉体内部にダメージ(極大)、血塗れ 【装備】フェルの衣装 【道具】なし 【思考】 基本:????? 1.ママ…… 【備考】 ※浅倉威は矢車想(名前は知らない)から自分を守ったヒーローだと思っています。 ※矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。キングは天道総司を助ける善人だと考えています。 ※ゼロはルルーシュではなく天道だと考えています。 ※レークイヴェムゼンゼの効果について、最初からなのは達の魂が近くに居たのだと考えています。 ※暴走の影響により、体内の全魔力がリンカーコアごと消失しました。自力のみで魔法を使うことは二度とできません。 ※レリックの消滅に伴い、コンシデレーションコンソールの効果も消滅しました。 時は僅かにさかのぼる。 これはヴィヴィオの魔力が暴発した、その瞬間の出来事である。 悪い予感は的中した。 否、正直予感以上だった。 これほどの規模の大爆発は、これまでのバトルファイトを振りかえっても一度も目撃したことがない。 腕に抱き止めたギンガの妹は、あまりの音と光に気絶してしまった。 人間の開発したスタングレネートやらを、遥かに凌駕する音と光だ――正直自分自身さえも、未だ意識を保っているのが不思議だった。 爆発が背後にまで迫る。 目と鼻の先にまで光がにじり寄る。 このまま飲み込まれてしまえば、それで何もかも終わりだ。 身体はあっという間に蒸発し、骨まで残さず消え果てるだろう。 自分はどうなろうと構わない。だが、それ以上に死なせたくないのはスバルだ。 昏倒した少女を背後へと放ると、迫り来るカラミティへと正対する。 『REFLECT』 カリスアローにラウズしたのは、ハートの8番目のカード――リフレクトモス。 ギラファアンデッドの攻撃にも耐えられなかった防壁が、どこまで有効かは分からない。 それでも手にしたラウズカードの中で、最もましな防御力を持っていたのがこれだ。 すぐさま光の壁が出現し、カリスの盾となって立ちふさがる。 爆発と正面から衝突したのは、ちょうどそれから2秒後だ。 すぐさま、強烈な反発が襲いかかった。 ばちばちと耳触りなスパークが響き渡り、衝撃が大気越しに身体を震わす。 ハートのマスクの下の眉間を、苦悶を宿した皺に歪めた。 見ればリフレクトの障壁には、既に亀裂が走っている。恐らくはあと数秒と保たずに、この壁は消滅するだろう。 「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ―――ッ!!」 それでも、諦めてなるものか。 膝をついてなるものか。 全身から暗黒色の飛沫を放ち、本来の姿たるジョーカーへと変幻。 黒と赤の鎧が消失し、黒と緑の甲殻が姿を現す。 リフレクトがばりんと音を立て砕け散ったのは、ちょうどこの瞬間だった。 「くっ、お、おおおおおお……っ!」 轟――と身を襲うのは、耐えがたいほどの灼熱と圧力。 カリスの姿なら即死していたであろう殺人的破壊力に、無敵のジョーカーの体躯すら、じりじりと焦がされていく。 命が遠ざかっていくのを感じた。 不死身であるはずのこの命が、驚くほど静かに消えていくのを感じた。 このままでは遠からず自分は死ぬだろう。 たとえスバルの盾となり、彼女を守り通したとしても、その未来に自分の命はないのだろう。 ふ――と。 不思議と、笑みが込み上げた。 まったくもって、不思議なこともあるものだ。 殺戮のために生まれたジョーカーの最期の仕事が、命を守ることだとは。 魔力の炎に焼き尽くされながら、しかし不思議と穏やかな気分で、自分の奇妙な運命を見据える。 少し前まではこんなこと、考えたことすらもなかった。 そんな自分を変えたのは、愛すべき人間達の心だ。 スバルが懸命に説得してくれたからこそ、人の想いの強さを知ることができた。 ギンガに命を救われたからこそ、人の想いに触れることができた。 そして、最初に人の心を教えてくれたのは、あの栗原遥香と天音の親子だ。 すいません、遥香さん。ごめん、天音ちゃん。 俺はどうやらここまでらしい。ここから生きて帰ることはできないようだ。 そして、それでも。 だとしても、これでよかったと思える自分がいる。 自分の命の捨て方としては、十分に満足できる死に様だと思っている自分がいる。 人を殺す運命にあった自分が、人を守って死ねるのだ。こんなに上等な死に方はなかった。 これで、いいんだよな。 今は亡き少女が最期に見せた、穏やかな笑顔へと問いかける。 俺はしっかり生き抜いたよな。 お前が言ってくれた通り、人間の心に従って、真っ当に死ぬことができたんだよな。 そうだよな……ギンガ―――――― 【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード 死亡確認】 【全体の備考】 ※F-9にて大規模な火災と魔力爆発が発生し、以下の被害が生じました。 ・F-9が壊滅状態となりました ・ホテル・アグスタがほとんど全壊状態となりました。 ・装甲車@アンリミテッド・エンドラインが大破しました。 ・ヴィヴィオの支給品一式が消滅しました。 また、火災は魔力爆発によって鎮火しています。 ※F-9に落ちていたラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレードが、風に吹かれて飛ばされました。 どこに飛んでいったのかは、後続の書き手さんにお任せします。 【ラウズカード(ジョーカー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 不死の怪物「アンデット」のうち、4つのどのスーツにも属さない「ジョーカー」を封印したカード。ラウザーに通す事により、カードが持つ能力を使用者や武器に付加させる事が出来る。 あらゆるラウズカードの能力を有しており、使用者が望むカードの代用として使用することができる。 【バベルのハンマー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~】 金居に支給されたボーナス支給品。 未確認生命体第45号ことゴ・バベル・ダの使用する大金槌。 高い殺傷能力を有しており、バベルの怪力と相まって、紫のクウガの鎧に傷をつけるほどの威力を発揮した。 【黒のナイフ@LYLICAL THAN BLACK】 ヴィヴィオに支給されたボーナス支給品 「組織」に所属する契約者・黒(ヘイ)が使用するナイフ。 Back 散る―――(中編) 時系列順で読む Next A to 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